車中泊
我が家の車中泊の歴史はかなり古く、先々代の赤ボル(850Estate)で九州一周をしたのが最初です。
今や記憶が曖昧になりつつありますが、『Volvo 850 Estate Series』として1994年にグッドデザイン賞を受賞した記念の大きなステッカーがリアウィンドウに貼ってあった赤いエステートなので、1995年頃に購入したのだと思います。
リアシートをダブルアクションで倒すと、リアゲートからドライバーズシート後端まで完全にフラットになる構造で、これぞ”The 車中泊”というクルマでした。
リアシートのヘッドレストは外す必要がなく、最大限に引き出したら前方に90度倒すことができてフロントシートバックに干渉せずにリアシートバックを倒せるというギミックは感動モノでした。
もちろん、当時車中泊なんていう言葉は耳にした記憶がありません。
「車中泊」(Wikipedia)
言葉自体の初出は不明と書かれています。
車中泊メインで九州を一周したのは1996年の8月で、夏休みを利用して10日ほどの旅でした。
幼稚園児とまだオムツが取れない二人の息子を連れての4人旅では流石に車中泊は窮屈で、何度かロードサイドのいわゆる素泊まりホテルに泊まって汗を流したり爆睡した記憶があります。
今はなきスペースワールドを始めハウステンボス、熊本城、阿蘇山、高千穂峡、シーガイア、由布院、別府地獄めぐりなどを記録した家族写真が、だいぶ色褪せた状態で今もアルバムに残っています。
我が家の初デジカメは2001年発売のFujiのFinePix 50iなので、当時の写真はすべてフィルム写真です。
ネガは残っているんですが、プリントに耐えうる状態なのかどうかはわかりません。
リフターに車中泊用ベッド
先代パサートでも約60箇所の百選の滝を相棒と二人でめぐりながら、北は山形、南は山口まで車中泊を重ねてきました。
リアシートのヘッドレストを外す必要がありましたが、それさえすればシートをダブルアクションで畳んでフルフラットにすることができたので、厚手のマットを敷くだけで比較的容易に車中泊をすることができました。
そして現在のプジョーリフターです。
リアシートは背もたれを前に倒すだけのシングルアクションで完全フラットには程遠い状態です。
倒したシートバックの一番高いところと、リアラゲッジの高低差は20cm弱あるため、フラットなベッドエリアを確保するためにはラゲッジ側をその分嵩上げして平らなフロアを作る必要があります。
フロントシート(左右両方)の下には工具やジャッキなどを入れる結構深い凹みがあります。
あれをリアシート足元まで延長して、座面をそこに沈み込ませるような構造にしてくれたら簡単にフルフラットになるのにね~
たしかそんな構造のクルマ、国産でありましたよね・・・
そんなわけで、昨年末辺りから無料版のFusion360を使ってイレクターパイプ製ベッドの設計をやっていました。
いやぁ、すでに半年。
まぁ、コロナで遠出できなかったり、年寄を他所に預けないと泊まりで出かける事など到底無理な程度の要介護状態だったりで、余り気合が入らなかったっていうのもあったりします。
ベッド設計図
一番悩んだのは高さをどうするかです。
リアシートバックを倒したときの高低差ギリギリの20cmにするか、床下収納を考慮して高めの床にするか。
リフターは車内高がそこそこ高いので、床をギリギリの高さに嵩上げすれば座った時に頭が天井につくことなく握りこぶし一つくらいは余裕ができます。
だたそうすると、購入済みのポータブルバッテリーDELTA2や、購入予定の車載冷蔵庫などをベッド上の何処かに置かなくてはならず、使えない空間が増えます。
高低両パターンそれぞれをFusion360上で様々なサイズのイレクターパイプを作っては繋ぎ、作っては繋ぎを繰り返してようやくひとつの形が見えてきました。
リフター用車載ベッド |
ベッド下にバッテリーや冷蔵庫をギリギリ収められるサイズにしてみました。
左側がリアゲート、右側がフロントシート背面です。
大きめな箱は手前がDELTA2、奥が購入予定の車載冷蔵庫です。
座ると頭がつかえる高さになってしまいますが、車内で座る場合は後席の真ん中だけ倒した状態でボードを置いてテーブルとして利用し、左右のシートは立てて座る形式にしました。
なので、前半部分の左右の長いイレクターは脱着可能な形式です。
仮組み
後ろ側半分をとりあえず作って仮組みしてみました。
部屋で仮組み |
Fusion360でミリ単位の設計図面が作成できるので、設置シミュレーションはほぼ完璧でした。
パイプカッターでイレクターパイプをカット |
ミリ単位でできるだけ厳密にカットする |
アマゾンで購入した1,500円程度のパイプカッターです。
グリップが短いので回転させて切るのにそれなりに腕力と握力が必要です。
カット作業を楽にするためには、もう少しグリップが長い(値段が高い)やつが良さそうです。
アマゾンのダンボールは購入予定の車載冷蔵庫のサイズを再現したもので、その後ろにはDELTA2が乗っています。
こうすることで、イレクターパイプとジョイントは適度な堅さで固定され、なおかつ脱着可能です。
真ん中の十字のパイプフレームは現状可動式にしていて、仕切られる4つの四角形の形は相対的に変更できるようになっています。
真ん中にもは床に届く支えのパイプがあり、パイプの脚は7箇所全部可動域2cmのアジャスターを付けて高さの微調整ができるようにしています。
パイプは専用接着剤を使わず、最終的にもマスキングテープで半固定にするつもりです。
使ってみて気に入らなかったら容易にサイズ変更できるようにすることと、いざとなったら完全撤去して収納する場合の収納し易さを考慮しています。
イレクターパイプにマスキングテープを巻く |
イレクターパイプに巻いたマスキングテープを中に折り込む |
こうすることで、イレクターパイプとジョイントは適度な堅さで固定され、なおかつ脱着可能です。
ただ、一旦接合したパイプをグリグリ回して外すとマスキングテープはグチャグチャになり再利用できません。
剥がすと糊が残るのでちょっといやらしい。
実際に使用する際は床のフックを利用してベルト固定し、前後左右もベルトで締め上げて動いたり緩んだりしないようにする予定です。
来週中には前半部分に必要なパーツを追加購入して組み上げてみる予定です。
まだ、このフレームの上に乗せる板張りの構成が決まっていないので並行して考えるつもりですが、前半部分エリアのテーブル状態とフルフラット状態をどのように切り替えるかが固まっていません。
まぁ車中泊は目的ではなく手段なので、フラットなベッドスペースが確保できれば第1段階はクリアとします。
7月に試用のロングドライブを考えていますが、しばらく試行錯誤を繰り返すことになるだろうと予想しています。
ここまでの部品代は12,000ほど。
設計Fix前に試しで先行購入してしまったパーツも幾つかあり、2,000円分位は無駄になるかもしれないです。
床板まで含めて予算は3万円以内を想定しています。
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